親の介護、まず相談するのはどこ?元ケアマネが伝える「最初の一歩」

親の介護は、ある日突然始まることがあります。私自身もそうでした。「何を、どうすれば…」と頭が真っ白になるご家族を、ケアマネジャーとして何度も見てきました。でも大丈夫。最初の相談先さえ知っていれば、道は必ず開けます。この記事では、現場で6年間ご家族に寄り添ってきた経験から、「まず、どこに相談すればいいのか」をお伝えします。

目次

迷ったら、まず「地域包括支援センター」へ

どこに相談すればいいか分からない——そんな時、間違いのない第一歩が「地域包括支援センター」です。

ここには、保健師・社会福祉士・主任ケアマネジャーといった専門職がいます。さまざまなケースを熟知していて、必要な制度やサービスへ繋いでくれる、とても心強い場所です。相談は無料で、お住まいの市区町村ごとに設置されています。

相談先はほかにもあります。市区町村の高齢介護室の窓口や、居宅介護支援事業所もその一つ。ただ、迷ったらまずは地域包括支援センター。ここを覚えておいてください。

地域包括支援センターの窓口で、スタッフがご家族をあたたかく迎えているイラスト

介護は、ある日突然始まることもあります(私の経験から)

私が初めて介護に向き合ったのは、家族のがんが悪化していった時でした。それは本当に突然で、病院から「すぐに介護認定の手続きを」と言われ、「どこに?」と尋ねると、地域の居宅介護支援事業所の一覧表を手渡されました。

たまたま通院していた近隣の病院に事業所があり、相談に行ったところ、とても良いケアマネジャーさん、そしてその後に必要となる訪問看護の方と出会えました。あの出会いに、どれだけ支えられたか分かりません。

私のように突然始まることもあれば、物忘れや脳血管の病気で生活に支障が出てきた、転倒や骨折で歩くのが難しくなった——そんなふうに少しずつ必要になることも多いです。いずれにしても、「生活に支障が出てきて、支援が必要かも」と感じた時が、相談のタイミングです。

多くのご家族が、つい遠回りしてしまうこと

現場でよく見てきたのは、「できるところまで」とご家族だけで抱え込んでしまうケースです。その結果、心も体も疲れ果ててしまう。介護離職につながることも少なくありません。

そもそも「地域包括支援センターって何?」と、その存在を知らない方もとても多いのです。相談できる場所があると知らずに、いきなり施設を探し始めてしまう方もいます。

どうか、一人で抱え込まないでください。頼れる場所は、ちゃんとあります。

介護の悩みを相談して、表情が和らいでいく女性のイラスト

要介護認定を受けるときの、ちょっとしたコツ

介護保険のサービスを使うには「要介護認定」が必要で、その際に認定調査があります。ここで一つ、知っておいてほしいことがあります。

ご本人は、調査員の前だとつい頑張ってしまって、いつもはできないことができてしまうことが多いのです。ですからご本人は普段どおりに調査を受けていただき、ご家族は「どんなことに介護の手間がかかっているか」「その頻度や、かかる時間」を具体的に伝えることがとても大切です。伝え忘れを防ぐために、事前にメモにまとめておくのがおすすめです。

また、認知面で心配が出てきた時や、ご家族が遠くに離れて暮らしている場合は、早めに相談しておくと安心です。定期的に相談しておけば、いざ認定が必要になった時に声をかけてもらえてスムーズに進みますし、介護の情報も自然と入ってきます。

最後に — ケアマネジャーとして、お伝えしたいこと

介護保険は、「自立支援」を目標にしています。ご家族の負担を減らしながら、ご本人ができることは続けていただき、その人らしい生活を送れるように、目標を立てて支援していく仕組みです。

相談に来てくださったご家族には、いつも「大変でしたね」とお声をかけ、心の声に耳を傾けることを何より大切にしていました。

どうか、ひとりで頑張りすぎないでくださいね。安心して、相談してくださいね。

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