介護に疲れが溜まってきた。でも「預けるなんて、かわいそう」——そう思って、ためらっていませんか。ケアマネジャーとして、私は何度もご家族にショートステイをご案内してきました。そして自分自身も、義母の介護で使いました。今日は、ショートステイがどんな時に使われるのか、そして予約のコツまで、現場から見た本当のところをお伝えします。
ショートステイは、こんな時に使われています
ご家族から相談されるのは、やはり介護の疲れが溜まってきた時が多かったです。ご家族から言い出される前に、私の方からレスパイト(介護をする方の休息)としてご提案することもありました。ほかにも、こんな場面で使われています。
- 先々、特別養護老人ホームを考えているご家族が、ご本人に慣れていただくために少しずつ利用される
- ご家族が旅行や出張で家を空ける時
- ご家族が急に入院された時
- ショートステイでお友達ができて、数ヶ月に1回、日にちを合わせて楽しまれていた方も(「家族に休息をとってもらうため」とも言っておられました)

ショートステイとは?
正式には「短期入所生活介護」といいます。制度の基本を、公的な情報から整理しました。
| サービス内容 | 入浴や食事などの日常生活上の支援や、機能訓練などを提供します |
|---|---|
| 対象となる場面 | 心身の状況や病状が悪い場合/家族の疾病・冠婚葬祭・出張/家族の身体的・精神的負担の軽減 など |
| 利用日数 | 連続利用は30日まで。保険の対象となる日数は、原則として認定有効期間のおおむね半数まで |
| 費用 | 介護保険の自己負担のほか、日常生活費(食費・滞在費・理美容代など)は別途 |
表の「対象となる場面」に注目してください。「家族の身体的・精神的負担の軽減」は、国が正式に認めている利用理由です。後ろめたく思う必要は、まったくありません。
「本人が馴染めないのでは」——ご家族がいちばん心配されること
ご家族がいちばん不安に思われるのは、やはりご本人が馴染めないのではないかということでした。その時は、施設の中の雰囲気や、どんなふうに過ごされるのかを大まかにご説明して、少しでも安心していただけるよう努めていました。
私が担当した方たちは、比較的みなさん楽しく過ごされていました。
ただ、正直にお伝えします。認知症が進んでこられた利用者様が「帰る」と言って騒ぎ、施設の職員に手が出てしまい、ショートステイの利用が難しくなったケースもありました。
こればかりは、実際に行ってみないと分からない部分です。もし合わなかったとしても、それはご家族のせいでも、ご本人のせいでもありません。
ただ、こうした経緯を他の施設にお伝えすると、受け入れが難しくなることが多いのも現実です。ですからこの場合は、別の施設を探すより先に、認知症そのものへの対応を見直すことが近道になります。主治医に相談してみる、ご本人への関わり方を見直してみる——。
また、「通い」を中心に、短期間の「宿泊」や自宅への「訪問」を組み合わせられる小規模多機能型居宅介護という選択肢もあります(出典:厚生労働省「介護サービス情報公表システム」)。同じ事業所が関わるので、ご本人にとっては見慣れた顔ぶれの中で泊まることになります。
どの道を選ぶにしても、一人で抱えず、担当のケアマネジャーに相談してみてください。
予約はいつまでに?ケアマネから見た、申し込みのコツ
- 定期的に利用される方は、できれば2ヶ月前に伝えていただけると調整しやすいです。利用される前月のモニタリングの時に、予定表に入れて持っていければ理想的です
- いちばん良いのは、「使いたい予定が決まった時点」で伝えていただくこと
- 間際になってからでは、人気の施設は予約が取れないことも多いです。よく利用される方は、前もって計画的に予約されていました
そして、意外に心配いらないのが持ち物やお薬のことです。事前にご家族・ご本人との面談があり、お薬や食物アレルギーの確認、持ち物についても、職員の方がきちんと伝えてくださいます。

私自身の話——義母は、デイ→ショート→特養と段階を踏みました
私自身も、先々の特別養護老人ホームを見据えて、義母の介護で自宅近くの特養に併設されたデイサービスを利用しました。
そこに慣れてきた頃にショートステイの利用を始め、介護度が要介護3になってから、特養に入所させていただきました。
顔馴染みのスタッフがいることで、義母も安心していたようです。いきなり知らない場所に泊まるのではなく、少しずつ段階を踏めたことが良かったのだと思います。
そして、あの頃の私は、使えていませんでした
前回の記事「介護と仕事の両立がきつい…辞める前に知ってほしい制度と、元ケアマネの後悔」で、私は「ショートステイを使っていれば、離職せずに済んだかもしれない」と書きました。
実はあの頃は、まだこの施設を利用していませんでした。以前から通っていたデイサービスの回数を増やして、必死で生活を回していた頃です。
——だからこそ、伝えたいのです。
最後に
「かわいそう」「本人が嫌がる」「預けるなんて」。そう思われるご家族は、本当に多いです。
でも、実際に利用されたあとは、皆さん感謝されていました。ショートステイを上手に利用して、ご家族も息抜きをしながら介護をしていただく。その方がリフレッシュできて、また頑張れると思うのです。
まずは担当のケアマネジャーに、あるいはまだ介護保険を使っていない方は地域包括支援センターに、聞いてみてください。
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